・四恩(しおん)
おはようございます。今日から五月ですね。
新緑が目に眩しく映ってくるこの季節が私は大好きです。
得度をしてから、もうすぐ1ヵ月が経とうとしていますが、法話の難しさ
に頭を抱えているところです。実は先日、改めて母親に僧侶になった話を
連絡したところ、「味のある法話を聞かせてあげてください。そして
四恩を忘れずに立派な僧侶になって下さい」と返信がきました。元々
良好とも言えない母との関係ですから、その母の言葉も素直に受け止める
ことができませんでした。僧侶なのに情けない話です。
さて前置きが長くなりましたが
今日は「四恩」についてお話をしようと思います。
四恩とは
1 父母
2 衆生
3 国王
4 三宝(仏・法・僧)の恩をいいます。
弘法大師さまの教えです。お大師さまが中国に留学中に、般若三蔵から
四恩について教わり、その考えを日本に持ち帰られたと伝えられています。
私たちがこうして存在しているのは、この四つの恩によるところが大きいのです。
私たちを生み出してくれた父母、私たちの生活を守ってくれる国王、精神生活
を支えてくれる仏・法・僧の三宝。そして私たちの生存を成り立たせてくれる
一切の衆生などに、人々は日常生活の中で有形無形の恩を受けています。
このような考えから四恩という考えが生まれました。
ですから、私たちが生きていられること全ての、背景に色んな恩恵を受けてい
ることを忘れてはならないです。
私も若い頃に、母に対して「勝手に生んだのはそっちでしょ!」と勝手な
ことを言ってしまったことがあります。今思えば、バチあたりな話です。
母はとても厳しい人で、優しい思いを表現するのも苦手なタイプです。
ですが、私がお寺に嫁ぐことが決まった時も、「あなたにお寺の奥さんが
務まるのか」と心配をしていました。そして「何かあったら聞いてきなさい」
と言葉をかけてくれました。母は在家の人ですから、私の知らないところで
お寺のことについて色々勉強してくれたのだと思います。
今回も私が僧侶になった事で、また色々と勉強をしてくれているのだと
思いす。母は厳しい人ですが、私のことをとても心配し、想う気持ちは
真の親心だと思います。
親は一番近しい関係でもあり、距離感が時として難しい存在でもあります。
四恩の中でも一番理解しやすく、改められるところではないでしょうか。
まずは私自身からですね。母に感謝の気持ちを忘れずに、将来は母に認め
られる僧侶になれたらと思います。
写真・岡山県営グランドにて
0コメント